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連鎖障害、ウイルス等の影響からか作物が成長せず枯れてしまいます。薬品を使わない土壌消毒の方法はないでしょうか?
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三年前敷地内で、ブロック塀のすぐそばに穴を掘り、土を買ってきて畑を作りました。去年ぐらいから連鎖障害、ウイルス等の影響からか作物の育ちが良くなく成長せずにきゅうり、トマトなど枯れてしまいます。次の作物を植える前に、石灰をまいて、肥料をまいてはいるんですが…。一度土壌消毒をした方がいいだろうと、考えています。薬を使いたくなくて、藁・ビニールシートを使った土壌消毒をしたいと考えています。でも藁がなかなか手に入りません。別のものを使ったいい方法はないでしょうか?藁の代わりに米ぬかは駄目でしょうか? (兵庫県/質問日:2009年5月21日) |
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りえまるママさんがおっしゃる、薬品を使わない土壌消毒はなかなか難しく、連作に対する対策としては「連作を行わないこと」が最もよい方法のひとつと言えます。
連作障害は、ウイルスや細菌、カビ、センチュウなど微生物によるものの他にも次の様な原因が考えられます。 ● 植物自体が根から出す生長阻害物質や発芽阻害物質などによるもの ● 微量要素などが過不足の場合 ● 多量要素の成分バランスが悪くなった場合 ● 土壌の物理性が悪くなった場合 以上のように原因も様々です。どの原因かで処方も異なります。 土壌消毒で連作を回避できるのは、微生物が原因しているときのみです。 作っている作物がキュウリやトマトということですが、トマトを連作しますと青枯病や萎凋病、キュウリではつる割病やセンチュウ害などが出やすくなります。 その他、根からもいろいろな有機物質を出していますし、土壌中の微生物相の変化や養分のアンバランス化などが起きている可能性もあります。 トマトやナスなど連作を嫌う作物では、1度栽培した後に、藁やビニールシート、米ぬかを使ったくらいでは、連作障害の回避はできません。石灰(炭カルや消石灰)の施用することによって、 多少微生物の増殖に影響を与えますが、消毒まではできません。また、三要素などの施肥をしましても、連作が可能とはなりません。 土づくりは勿論のこと、さらに土壌消毒用の農薬を使いませんと、十分な土壌消毒は難しいようです。 しかし、一般的に、連作に対する対策としては、最初にも申し上げましたとおり、「連作を行わないこと」、また菜園をいくつかに区切り、 異なる種類の農作物を順々に作っていくことをお勧めします。 参考までに、連作に適する野菜、適さない野菜を以下に記載いたします。お時間のある時にお読みください。 野菜類では果菜類をはじめ連作を嫌う種類がたくさんあります。連作を嫌う作物では1度作ったら、 同じ畑に何年間かは同じ作物、および種類の近い作物は作らないようにします。その間は、畑を空けるか、あるいは毎回種類の違う作物を作っていきます。 種類の違う作物を次々と作ることを輪作といいます。同じ種類というのは、同じ科のものも含めて作らないほうがよいということです。例えば、トマトとナスはどちらもナス科ですから、トマトを作った後にナスを作ることも良くありません。 以下に同じ種類・科の作物の例と、輪作する期間をあげます。 例 ●トマト、ナス、スイカ、ピーマン、ゴボウ、エンドウ…5〜6年以上 ●メロン、ソラマメ、エダマメ、サトイモ、トウガラシ…4〜5年程度 ●インゲンマメ、キュウリ、イチゴ、ハクサイ、レタス、セロリ、ニラ…2〜3年程度 ●キャベツやホウレンソウ、ネギ、シュンギク…1年間程度 輪作の時も、近い種類で相性の悪い作物は避けます。一例を上げますと、トマトと相性の悪い作物は、 ナスの他、キュウリ、ピーマン、ジャガイモ、トウガラシなどです。比較的相性のよい作物としては、キャベツやブロッコリー、ネギ、タマネギ、トウモロコシなどがあります。 しかし、トマトと相性がよくても、連作の時にネギとタマネギ、あるいはキャベツとブロッコリーは種類が近いため、それらをのみ組み合わせて続けて作ることはよくありません。 |
お答えしたのは…加藤先生です。
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